技術資料(よくわかる講座)

電磁超音波厚さ計と超音波厚さ計の特徴と違い

ダコタ・ジャパンでは、超音波厚さ計と電磁超音波厚さ計の2種類の厚さ測定器を販売しています。それぞれの厚さ計には特徴があり、測定対象物の材質や厚さや形状、測定用途に応じて使い分けることで、より効率的に検査を行うことができます。
ここでは、超音波厚さ計と電磁超音波厚さ計の特徴と違いについて、詳細に説明します。

超音波厚さ計
超音波厚さ計

電磁超音波厚さ計
電磁超音波厚さ計

特徴

2つの厚さ測定方式は、いずれも超音波の伝播時間から測定対象の厚さを算出しますが、超音波の発生方法が異なります。超音波厚さ計では、トランスデューサー(プローブ・探触子)内部の振動子を用いて超音波を発生させますが、電磁超音波厚さ計では測定対象物の表面近傍で直接超音波を発生させます。
一般的に、超音波厚さ計の方が汎用性が高く、また高精度での厚さ測定が可能です。一方で、電磁超音波厚さ計には、接触媒質(カプラント)の塗布が不要(非接触での測定が可能)という強力な利点があります。
それぞれの厚さ計の特徴を理解し、適切に使用することで効率的な厚さ測定を行うことができます。

金属板画像

金属(導体)の厚さ測定

いずれの厚さ計でも問題なく測定することができます。
電磁超音波厚さ計では、接触媒質(カプラント)の塗布・除去が不要なため、より迅速な測定が可能です。一方で、トランスデューサー(EMAT)に永久磁石を内蔵しているため、鉄などの強磁性体の測定では、磁力でトランスデューサーが測定箇所に強く張り付いたり、鉄粉を集めてしまうため、取扱いに注意が必要です。

ガラス・プラスチックの測定

電磁超音波厚さ計は、ガラスやプラスチック等の絶縁物では表面に超音波を発生させることができないため、厚さを測定することができません。ガラスやプラスチック等の絶縁物の厚さ測定は、超音波厚さ計を使用する必要があります。

塗装材の素地の測定

いずれの厚さ計でも問題なく測定することができます。
電磁超音波厚さ計では、超音波厚さ計では測定が難しい1mmを超える厚い膜厚が施された素地(金属)の厚さ測定も可能です。

高温材の測定

いずれの厚さ計でも、高温材の厚さを測定することができます。ただし、電磁超音波の方が、より高温での測定に適しています。一般的な超音波厚さ計では、圧電素子が高温の影響を受け振動が弱くなりますが、電磁超音波厚さ計では影響を受けづらいためです。

腐食や孔食の検出

電磁超音波厚さ計は、腐食検査には適していません。局部的な腐食や減肉、孔食を検出することができません。腐食の進行が予想される箇所の厚さ測定では、超音波厚さ計を使用して測定を行う必要があります。

配管(湾曲部)の測定

いずれの厚さ計でも測定することができますが、超音波厚さ計の方が配管(湾曲部)の厚さ測定に適しています。
電磁超音波厚さ計では、大径の配管の厚さ測定では問題ありませんが、外径50mm未満の配管の厚さ測定で誤差が大きくなり、場合によっては測定できないこともあります。

厚さ計の種類 電磁超音波厚さ計 超音波厚さ計
カプラント(接触媒質)の必要性 不要 必要
非接触での測定 ×
測定精度
金属(導体)の厚さ測定
ガラス・プラスチックの厚さ測定 ×
塗装材の素地の測定
高温材の測定
*高温測定用のトランスデューサーが別途必要です。
局部腐食や孔食の検出 ×
配管(湾曲部)の測定

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*本資料は、測定の一例を示すものであり、規格・法令等により定められた測定方法を説明するものではありません。