技術資料(よくわかる講座)

ロックウェル硬さ試験

硬度測定

ロックウェル硬さ試験は、アメリカのロックウェル氏により考案され、ウィルソン氏により実用化された硬さ試験方法です。

ビッカース硬さ試験やブリネル硬さ試験のように、くぼみ(圧痕)の面積を測定する必要が無く、圧子の押し込み深さから硬さを算出できることが特徴です。
簡便かつ素早く測定する事ができるため、研究室だけでなく現場での使用も可能で、金属の硬度測定手法として広く用いられています。

測定原理

ロックウェル硬さ試験は、圧子を一定の荷重で試料に押し付け、その時のくぼみの深さから硬さを算出する試験方法です。

まず、ダイヤモンド圧子または球圧子を、基準荷重(例:98.07N)で試料表面に押し付けます。次に試験荷重(例:588.4N)でさらに押し込みます。再度基準荷重(例:98.07N)に戻し、はじめの基準荷重と2回目の基準荷重におけるくぼみ深さの差から硬さを求めます。

くぼみ(圧痕)の面積を測定するビッカースやブリネルと異なり、圧子の押し込み深さから硬さを算出するため、簡便にそして素早く硬度を測定する事ができます。

硬度測定

使用する圧子の種類や負荷する基準荷重・試験荷重の組み合わせにより、様々なスケールが用意されています。

区分 スケール 記号 基準荷重 試験荷重 圧子
ロックウェル A HRA 98.07N
(10kgf)
588.4N (60kgf) ダイヤモンド圧子
B HRB 980.7N (100kgf) 球圧子 (直径1.5875mm)
C HRC 1471N (150kgf) ダイヤモンド圧子
D HRD 980.7N (100kgf) ダイヤモンド圧子
E HRE 980.7N (100kgf) 球圧子 (直径3.175mm)
F HRF 588.4N (60kgf) 球圧子 (1.5875mm)
G HRG 1471N (150kgf) 球圧子 (直径1.5875mm)
H HRH 588.4N (60kgf) 球圧子 (直径3.175mm)
K HRK 1471N (150kgf) 球圧子 (直径3.175mm)
ロックウェル スーパーフィシャル 15N HR 15N 29.42N
(3kgf)
147.1N (15kgf) ダイヤモンド圧子
30N HR 30N 294.2N (30kgf) ダイヤモンド圧子
45N HR 45N 441.3N (45kgf) ダイヤモンド圧子
15T HR 15T 147.1N (15kgf) 球圧子 (直径1.5875mm)
30T HR 30T 294.2N (30kgf) 球圧子 (直径1.5875mm)
45T HR 45T 441.3N (45kgf) 球圧子 (直径1.5875mm)

 

MetalTestおよびMetalTest MKIIは、現場での測定に適するように、ロックウェル硬さ試験の原理をもとには開発したポータブル硬さ計です。基準荷重は9.807N(1kgf)、試験荷重は54.92N(5.6kgf)と手動での検査が可能です。ロックウェルの各種スケールへ換算して硬さを表示するだけでなく、ブリネルやビッカースでの表示も可能です。

関連規格

JIS Z 2245
ロックウェル硬さ試験−試験方法
JIS B 7726
ロックウェル硬さ試験−試験機及び圧子の検証及び校正
JIS B 7730
ロックウェル硬さ試験−基準片の校正
ISO 6508-1
Metallic materials−Rockwell hardness test−Part 1: Test method
ISO 6508-2
Metallic materials−Rockwell hardness test−Part 2: Verification and calibration of testing machines and indenters
ISO 6508-3
Metallic materials−Rockwell hardness test−Part 3: Caribration of reference blocks