超音波についてのご説明

技術資料

超音波とは

超音波とは

超音波とは、私たち人間の耳では聞くことができない高い音のことです。

人間は通常、約20Hz(ヘルツ)~20KHz(キロヘルツ)の周波数を聞くことができます。
人間が聞くことができない20KHz以上の音波のことを、総称して超音波と呼んでいます。

動物では、イルカやコウモリなどが、20KHz以上の超音波を利用していることが知られています。 超音波厚さ計・探傷器では、一般的に1MHz~20MHzの超音波が使用されています。

超音波はこの他にも、潜水艦や船舶の探知に使用されるソナーや魚群探知機、医療のエコー検査等の様々な機器で使用されています。

超音波の非破壊検査への適用は非常に古く、1930年頃から行われており、技術的にも確立した非常に信頼できる検査方法です。

超音波の特長

超音波には、大きく以下の二つの特長があります。

  • 物質と物質の境界で反射する
  • 物質により音の伝わる速度(音速)が異なる

超音波には、物質と物質の境界で反射するという特徴があります。ただし、超音波がすべて反射するのではなく、一部の超音波は通過します。
反射する超音波と通過する超音波の割合は、隣り合う物質の材質の組み合わせにより変化します。
例えば鉄と水の場合、約94%の超音波は境界で反射し、残りの6%が通過します。一方でアクリル樹脂と水の場合は、34%の超音波が境界で反射し、64%は通過します。
超音波の反射・通過の割合は、隣り合う物質の音響インピーダンスにより決定されます。

超音波の特長

次に、超音波の伝わる速度、すなわち音速は、物質により異なるという特徴があります。
例えば同じ金属でも、鋼の音速は約5,920m/sですが、アルミニウムの音速は約6,380m/s、ステンレスの音速は5,660m/sと、材質により音速は異なります。また同じ鋼でも、鋼種が異なると若干音速は異なります。

超音波厚さ測定・探傷試験では、正確な検査のために、正しい音速を把握することが大切です。測定物と同じ材質の試験片を使用して、音速の校正を行うことが重要です。

超音波の種類

超音波の波の種類には、縦波や横波、表面波、板波などがあります。超音波厚さ測定では縦波が、超音波探傷試験では主に縦波と横波が使用されています。

縦波とは、粒子の振動が波の進行方向と同じ縦方向に起こる波のことで、最も伝達が速い波です。

横波とは、粒子の振動が波の進行方向と直角の横方向に起こる波のことです。縦波よりも伝達が遅く、約半分の伝達速度となります。固体の中だけに伝搬し、液体や気体の中は伝わりません。斜角探傷試験で主に使用されます。

下表は、主要な材料の縦波と横波の音速です。

縦波と横波
単位:m/秒
材料音速
縦波横波
5,920 3,240
ステンレス 5,660 3,120
アルミニウム 6,380 3,130
鋳鉄 4,550 2,700
4,650 2,260
ガラス 5,770 3,430
ポリ塩化ビニル 2,390 1,060
ナイロン 2,690 1,090
超音波厚さ計の測定原理
超音波探傷器の測定原理