超音波厚さ計の仕組みのご説明

技術資料

超音波厚さ計の仕組み

超音波厚さ計の仕組み

超音波厚さ計は、トランスデューサー(プローブ、探触子)と呼ばれるセンサーから発信した超音波が、測定物の反対面に反射し戻ってくる時間(伝播時間)をもとに、厚さを算出します。

具体的には、伝播時間(t)に測定物の音速(C)を乗じ、厚さを算出します。

材料の音速

測定物の音速は、材質ごとにおおよそ決まっています。右下の表は、主要な材料の音速です。
ただし、同じ鋼でも鋼種が異なると、音速が異なります。
鋼の音速は、おおよそ5,900m/sですが、鋼種により2%程度の音速の差があると言われています。
ステンレスやアルミ、プラスチックではこの差がより大きくなるため、注意が必要です。
正確な厚さ測定では、実際の測定物で音速の調整(校正)を行うことが必要です。

材料音速
5,920
ステンレス5,660
アルミニウム6,380
鋳鉄4,550
プラキシガラス2,690
ポリ塩化ビニル2,390
ポリスチレン2,340
ポリウレタン1,780

計測できない測定物と接触触媒(カプラント)について

計測できない例

超音波厚さ計は、超音波の伝播時間をもとに厚さを測定します。
このため、トランスデューサーから出力した超音波が、戻ってこない場合、測定することができません。

例えば、測定面と反対面が平行になっていない場合、超音波がトランスデューサーに戻ってこないため測定することができません。
また、出力した超音波が途中で消えてしまうゴムのような高減衰材も、測定ができません。
木材や発泡プラスチックのように、気泡を含む素材も、超音波が気泡を通過しないため、測定不可です。

超音波は空気中を伝わりづらく、また測定面との境界で反射してしまうという性質を持っています。
このため、トランスデューサーと測定面の間には、少量の液体(接触媒質)を塗布する必要があります。
液体には、カプラントと呼ばれる専用剤のほかに水や油が使用されています。

次のページ(超音波厚さ計の種類)