技術資料(よくわかる講座)

高温材料の厚さ測定

通常のトランスデューサー(プローブ・探触子)の耐用温度は、約70℃です。
測定箇所(トランスデューサー接触箇所)の温度が70℃を超える場合、通常のトランスデューサーでは破損してしまう可能性があります。このため、高温材料の厚さ測定では、高温に対応したトランスデューサーを使用します。
高温材料の厚さ測定は、熱のため危険な上に、超音波の減衰が常温に比べ大きいため安定的な測定が難しく、難易度の高い測定です。ここでは、高温材料の厚さ測定について説明します。

測定方法

5MHzまたは2.25MHzの高温用トランスデューサー(プローブ・探触子)を使用します。高温材料は、一般的に常温に比べ超音波の減衰が大きいため、可能な限り先端径(振動子径)の大きなトランスデューサーを使用します。また、厚さ計本体も感度(ゲイン)調整ができる装置の使用をお勧めします。
通常のカプラント(接触媒質)では、熱により気化したり、発火する恐れがあります。高温での測定に対応した専用の高温カプラント(接触媒質)を使用します。

測定方式は、パルス・エコーモードまたは、エコー・エコーモードを使用します。エコー・エコーモードでは、探触子内部(遅延材)の温度変化による誤差を除去することができるため、より正確な厚さを測定することができます。一方で、2回目の底面エコーが必要になるため、減衰の大きな材料では使用することができません。

高温用のトランスデューサー(プローブ・探触子)を使用しても、適切に使用しなければ、故障してしまう恐れがあります。以下の手順に従い測定してください。

測定手順

  1. 高温用のカプラント(接触媒質)をトランスデューサー(プローブ・探触子)に塗り、トランスデューサーを測定面に軽く押し当てます。
  2. 1〜2秒以内に、表示される測定値を確認します。
  3. 必要に応じて、測定値の確認のために、トランスデューサーを軽く前後左右に動かします。トランスデューサーが故障する恐れがあるため、トランスデューサーに加える力を増したり、5秒以上測定箇所に接触したままにすることは避けてください。
  4. トランスデューサーを測定箇所から取り外し、冷気または水に浸し常温に戻します。
  5. 次の測定に移る前に、トランスデューサーに残っているカプラント(接触媒質)を拭き取り、新しいカプラント(接触媒質)をトランスデューサーに塗布します。

注)校正用試験片を用いて音速を校正する場合は、試験片の温度を、実際の測定箇所の温度に一致させてから、音速の校正を実施してください。

高温用カプラント
VersaSonic®(バーサソニック)

-23~398℃と常温から高温まで、幅広い温度範囲に対応した高性能カプラント

測定手順(連続測定対応トランスデューサー:E58D1)

538℃の高温測定に対応する耐熱トランスデューサー『E58D1』では、測定毎に冷却を行うことなく連続的に測定することができます。

  1. 高温用のカプラント(接触媒質)をトランスデューサー(プローブ・探触子)に塗り、トランスデューサーを測定面に軽く押し当てます。
  2. 表示値を確認します。
  3. 必要に応じてトランスデューサーを軽く前後左右に動かし、表示される値を確認します。故障・消耗する恐れがあるため、トランスデューサーを強く押し付けない様に注意してください。
  4. トランスデューサーを測定箇所から離し、トランスデューサー表面に残っているカプラント(接触媒質)を拭き取ります。新しいカプラントを塗布し、続けて測定を行います

注)校正用試験片を用いて音速を校正する場合は、試験片の温度を、実際の測定箇所の温度に一致させてから、音速の校正を実施してください。

対応トランスデューサー

トランスデューサーの選択(高温材料)

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*本資料は、測定の一例を示すものであり、規格・法令等により定められた測定方法を説明するものではありません。