鋼管柱(水中構造物)の厚さ測定(腐食検査)
水中構造物の一つに、橋梁などを支える鋼管柱があります。
鋼管柱などの水中構造物は、水に触れているため、陸上の構造物よりも腐食が進行しやすく、定期的な検査を実施する必要があります。また、許容を超えた減肉が進行している場合は、安全のため補修を行う等の対策を実施する必要があります。
ここでは、港湾・河川に設置される鋼管柱の超音波厚さ測定(腐食検査)について説明します。
測定方法
港湾・河川に設置される鋼管柱の腐食検査(厚さ測定)には、以下の2つの方法があります。
1つは、厚さ計本体は陸上に残したまま、水中測定に対応した長いケーブルのトランスデューサー(プローブ・探触子)を水中に持ち込み、厚さを測定する方法です。比較的浅い水深での測定に適した測定方法です。水中専用のトランスデューサーを使用する必要がありますが、厚さ計本体には汎用的な厚さ計(ZXシリーズ)を使用する事ができます。
もう1つの方法は、厚さ計本体とトランスデューサーの両方を水中に持ち込み測定する方法です。
こちらの測定では、浅瀬から50m以上の深い場所まで、幅広い水深で厚さを測定することができます。厚さ計とトランスデューサーともに水中測定専用(UMX-2)となります。
水中トランスデューサー
(ケーブル長さ15m)
UMX-2
通常、測定は腐食環境の異なる箇所を測り、腐食状況を確認します。
一例として、高さの異なる4か所を測定点とし、それぞれの箇所で5点を測定する方法を紹介します。
上記の測定方法以外にも、想定される腐食状況により、1回測定法、2回測定法、多点測定法、精密測定法などを組み合わせて測定を行います。1回測定法、2回測定法、多点測定法、精密測定法については、超音波厚さ計の測定方法(基礎)をご確認ください。
水中構造物は、腐食の進行や貝などの付着物により、測定面の状態が非常に悪い場合が多くあります。そのままの状態では測定できません。ワイヤーブラシ等で表面をきれいにしてから測定してください。
*水中、特に海水での測定は、トランスデューサーの消耗を著しく早めます。スペアのトランスデューサーを携行することをお勧めします。
対応機種
*ケーブル長さが15mの水中測定用トランスデューサーは、一般・腐食検査用のすべての厚さ計で使用可能です。
対応トランスデューサー
周波数 | 径 | 種別 | 探触子 | 対応機種 | 部品番号 |
---|---|---|---|---|---|
3.5MHz | 16mm | 水中測定用(UMX-2専用) | 二振動子 | UMX-2 | TT-D3-12UWCT |
5.0MHz | 16mm | 水中測定用(UMX-2専用) | 二振動子 | UMX-2 | TT-D5-12UWCT |
5.0MHz | 16mm | 水中測定用(ケーブル長15m) | 二振動子 | ZX、MVX、CMX | TT-D5-12WP15 |
*本資料は、測定の一例を示すものであり、規格・法令等により定められた測定方法を説明するものではありません。