海底パイプラインの厚さ測定
海底パイプラインは、天然ガスや石油、プラント冷却用の水等の液体を輸送するため、海底に敷設されています。
敷設後の海底パイプラインの検査は困難ですが、比較的浅い海では、ダイバーが潜水することにより、超音波厚さ計を用いてパイプラインの残存厚さを直接測定することが可能で、腐食・減肉状況を確認することができます。
ここでは、比較的浅い海底に敷設されている海底パイプラインの超音波厚さ測定(腐食検査)について説明します。
測定方法
海底パイプラインの大きさは、250mm程度の小径から、5m程度の非常に大きなものまで、様々なサイズがあります。また敷設状況も様々で、海底の地中に埋設しているものもあります。
パイプラインの径が大きく、人が入ることができる場合には、内側から測定することもあります。ライニングの厚さ、ライニングを剥がして貼りなおすことの金銭的・時間的コスト、地中に埋まっているかどうか、流れている媒質などを加味し、内側から測定を判断します。
ダイバーが潜水して測定する場合は、水中測定専用の超音波厚さ計UMX-2を使用します。測定箇所は、パイプラインの周方向に90度毎に4点、45度毎に8点などとし、これを軸方向に一定間隔でに測定していきいます。
UMX-2
想定される腐食状況により、1回測定法、2回測定法、多点測定法、精密測定法などを組み合わせて測定を行います。1回測定法、2回測定法、多点測定法、精密測定法については、超音波厚さ計の測定方法(基礎)をご確認ください。
水中構造物は、腐食の進行や貝などの付着物により、測定面の状態が非常に悪い場合が多くあります。そのままの状態では測定できません。ワイヤーブラシ等で表面をきれいにしてから測定してください。
*水中、特に海水での測定は、トランスデューサーの消耗を著しく早めます。スペアのトランスデューサーを携行することをお勧めします。
対応トランスデューサー
周波数 | 径 | 種別 | 探触子 | 対応機種 | 部品番号 |
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3.5MHz | 16mm | 水中測定用(UMX-2専用) | 二振動子 | UMX-2 | TT-D3-12UWCT |
5.0MHz | 16mm | 水中測定用(UMX-2専用) | 二振動子 | UMX-2 | TT-D5-12UWCT |
*本資料は、測定の一例を示すものであり、規格・法令等により定められた測定方法を説明するものではありません。