
超音波厚さ計 用語集
- エコー
- 超音波のことです。非破壊検査の分野では、Aスコープ画面上に表示されたきず等に反射し戻ってきた超音波のことを特にエコーと呼びます。
- 超音波
- 人間が聞くことができない20KHz以上の音波のことを超音波と呼んでいます。超音波厚さ計・探傷器では、一般的に1MHz~20MHzの超音波を使用します。
- 探触子
- 超音波の受発信を行うセンサーのことです。トランスデューサー、プローブとも呼ばれています。
- トランスデューサー
- 探触子を参照してください。
- プローブ
- 探触子を参照してください。
- 一振動子探触子
- 超音波の発信と受信を1つの振動子で行う探触子のことです。直進性に優れ正確な厚さ測定が可能なため、精密検査用の厚さ計で使用されます。
- 二振動子探触子
- 超音波の発信部と受信部が別々に設置された探触子のことです。表面状態が悪い場合でも測定が可能で、腐食検査等で高いパフォーマンスを発揮するため、一般・腐食検査用の厚さ計で使用されています。
- エコー・エコー方式
- 1回目の底面エコーと、2回目の底面エコーから厚さを求める方法です。表面に塗装がされていても、母材の厚さのみを測定することができます。多重エコー方式、スルーペイント機能、スルーコート機能とも呼ばれています。
- 多重エコー方式
- エコー・エコー方式を参照してください。
- スルーコート
- エコー・エコー方式を参照してください。
- スルーペイント
- エコー・エコー方式を参照してください。
- パルス・エコー方式
- ゼロ点調整により設定したゼロ点と、1回目の底面エコーから厚さを求める方法。ゼロ点・第一回底面エコー方式とも呼ばれています。
- ゼロ点・第一回底面エコー方式
- パルス・エコー方式を参照してください。
- 自動零点校正
- 零点調整用試験片を用いずに、自動的にゼロ位置の設定・校正ができる機能です。
- スキャンモード
- 1秒当たり通常よりも多い回数の画面表示を行い、通常の表示間隔では見逃してしまうような、瞬間的に捕捉した最小値または最少値と最大値を表示します。波形表示のAスキャン(Aスコープ)、Bスキャン(Bスコープ)とは別です。
- アラームモード
- 任意のあらかじめ設定された基準厚さを下回った場合や上回った場合に、LEDを光らせたりブザーを鳴らしたりして、警報を発生する機能です。
- 差厚測定モード
- 任意のあらかじめ設定された基準厚さとの差の値を表示します。
- 差分測定モード
- 差厚測定モードを参照してください。
- ディファレンシャルモード
- 差厚測定モードを参照してください。
- データロガー(データ保存)
- 測定値を装置内部に記憶する機能です。記憶した厚さデータは、後から記憶場所を指定して呼出・表示したり、PCと接続して転送することができます。記憶件数は、数値だけの場合とAスコープ・Bスコープ表示も含めた場合とで異なる場合があります。
- セットアップ
- 測定条件を装置内部に記憶する機能です。さまざまな測定条件を簡単な操作で一括設定して、以前に行った測定の再現ができます。記憶した測定条件は、PCと接続して転送することができます。装置内には、あらかじめ基本的な条件が保存されていますので、これを参考(基本)にして最適な条件を探ることもできます。
- 音速
- 音の伝わる速度のことです。 各材質の音速は、音速一覧表をご確認ください。
- 音速直接入力
- 測定対象物の音速が判っている場合や対比試験片が準備できない場合は、音速設定を変更して校正を行います。
- 一点校正
- 測定対象物と同じ材質の対比試験片が用意できる場合、その厚さが表示されるように調整を行います。
- 二点校正
- 測定対象物と同じ材質の対比試験片が用意できる場合で高精度の厚さ測定を行いたい場合は、実際の測定範囲を含む任意の2つの厚さで調整します。
- マテリアルリスト
- 各材料の音速値を一覧表示した表です。なお、この表の音速値は一例であり、材料の組成等により多少違う表記の資料もあります。
- カップリングチェック
- 探触子が測定物ときちんと接触し、超音波の受発信が適切に行われているかをチェックする、またはチェックする機能のことです。
- 超音波厚さ計
- 超音波を利用して厚さを測定する装置のことです。本体と探触子とよぶセンサー部からなります。超音波厚さ計は、一般・腐食検査用厚さ計と精密厚さ計の2つに分けることができます。
- 零点調整用試験片
- 装置の電気的測定ゼロの位置と測定対象物の表面位置(厚さのゼロ位置)を合わせる時に使用する調整用試験片です。
- 零点校正用試験片
- 零点調整用試験片を参照してください。
- バックライト
- 周囲が暗い場所でも表示が見やすいように、ディスプレイを照明する機能です。
- カプラント
- 超音波の伝達のために、探触子と測定物の間に介在させる液体のことです。水や油を使用することができますが、専用剤の方が超音波の伝達に優れており、正確に測定することができます。接触媒質とも呼ばれています。
- 接触媒質
- カプラント参照してください。
- 標準試験片
- 形状、寸法、材質が規定されており、超音波に対しても検定されている試験片で、装置の動作試験や感度調整などに用いられます。
- 対比試験片
- 装置の動作・性能確認、一点校正、二点校正などを目的として製作される試験片です。測定対象物の一部か同一材質とし、マイクロメーターや測長機等で寸法を測っておきます。
- テストピース
- 対比試験片を参照してください。
- 底面エコー
- 測定物の底面に反射し戻ってきたエコー(超音波)のことです。
- Aスコープ
- 縦軸に受信した超音波(エコー)の強さ、横軸に時間をとり、超音波を表示する方法です。
- Bスコープ
- 縦軸に距離、横軸に方位を示す方法で、試験体の断面方向の情報を得ることができます。断面表示とも呼ばれます。
- 断面表示
- Bスコープを参照してください。
- 1回測定法
- 最も基本的な測定方法です。測定箇所に探触子をあて、表示された厚さを測定値とする測定方法です。
- 2回測定法
- 1度厚さを測定した後に、探触子を90度回転させて、もう1度同じ箇所を測定する方法です。 2回の測定の内、表示された厚みの薄い方を測定値として採用します。
- 多点測定法
- 測定点を中心とする直径30mmの円の内側を、多数回測定する方法です。表示された厚みの内、もっとも薄い値を測定値とします。
- 精密測定法
- 腐食の進行が予想されている箇所で、減肉の分布状況を確認するために行う測定方法です。10mm間隔の格子状に測定点を設定し、測定を行います。
- 連続測定法
- 連続測定法は、厚さの変化を確認するために行う測定方法です。測定線上を1回測定法により5mm間隔で測定を行う、もしくは、連続的に測定(スキャン)を行います。
- 表示分解能
- 装置が表示することのできる最小の桁で、0.1(1/10)mm、0.01(1/100)mm、0.001(1/1000)mm等の種類があります。
- 表示解像度
- 表示分解能を参照してください。
- 精度
- 校正後に残留する絶対誤差のことで、装置の設計上の限界、構成部品の誤差や安定性、ソフトウェアの処理方法により決まる、避けられない誤差です。
- 測定範囲
- この装置が測定することのできる厚さの範囲です。値は音速設定によって変わってきますが、通常、鋼の音速時の範囲が掲載されています。
- IP等級
- 国際電気標準会議(IEC)の規格IEC60529(JIS C 0920:2003)に基づいて規定されている、固形物や水の装置への浸入に対する保護の等級表示です。