銅管のろう付け(鑞付け)接合部の検査 Application Notes - Ultrasonic Thickness Measurement
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銅管のろう付け(鑞付け)接合部の検査
ろう付け(鑞付け)とは、金属を接合する溶接の一種です。
接合する部材と部材の間に、より融点の低い合金(ろう)を溶かし、接着剤として用いる事で、母材自体を溶かさずに複数の部材を接合させることができます。母材を溶かさずに接合するため、熱伝導率の高い銅(銅合金)の溶接も可能な上、接合強度が強く、気密性(密閉度)が高いため、銅配管の継手に積極的に適用されています。
超音波厚さ計は、ろう付け(鑞付け)接合部の検査に使用することができます。特に、小径銅管のろう付けの接合部の確認に、超音波厚さ計が使用されています。
測定方法
小径銅管のろう付け接合部の検査は、PVXとペン型トランスデューサー(プローブ・探触子)の組み合わせで実施します。
ろう付けが不十分な場合、外側の銅管と内側の銅管の間に空気の層が生じ、空気の層で超音波が反射します。このため、超音波厚さ計には外側の銅管の厚さしか表示されません。
一方、適切に溶接が行われている場合は、内側の銅管まで超音波が透過するため、外側と内側の銅管の合計の厚さが表示されます。
このように、ろう付け接合部の良否は、銅管の厚さから判定します。ただし、超音波厚さ計ではトランスデューサー接触箇所の厚さしか測定できないため、ろう付け接合部の良否確認のためには、周方向に複数点の厚さ測定を実施し判断する必要があります。
小径配管の測定方法については、高圧ガス配管等の小径配管・パイプの厚さ測定を参照ください。
小径配管・パイプの厚さ測定はこちら
ろう付け OK適切にろう付けされている場合、銅管2枚分の厚さが表示される。
ろう付け NGろう付けが不適切な場合は、空気の層で超音波が反射するため、表側の一枚分の厚さしか表示されない。
銅管の外径が25mm以上かつ配管の厚さが1mm以上の場合は、ZXシリーズとTT-D5-316の組み合わせでも測定が可能です。
対応トランスデューサー
周波数 | 径 | 種別 | 探触子 | 対応機種 | 部品番号 |
---|---|---|---|---|---|
10MHz | 2mm | ペン型 遅延材付き | 一振動子 | PVX | TT-SD10-116P |
10MHz | 2mm | ペン型/ショートタイプ 遅延材付き | 一振動子 | PVX | TT-SD10-116PR |
15MHz | 2mm | ペン型 遅延材付き | 一振動子 | PVX | TT-SD15-116P |