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ドライ測定 Application Notes - Thickness Measurement

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ドライ測定

ドライ測定

超音波厚さ測定・超音波探傷試験では、トランスデューサー(プローブ・探触子)と試験体の間にカプラント(接触媒質)と呼ぶ液体を塗布する必要があります。トランスデューサーと試験体の間に空気の層が存在すると、超音波が試験体に伝播しないためです。一方、この液体の塗布は、検査箇所が多い場合には無視できない作業負荷となり、また、工場での自動化やドローンでの測定においても機構が複雑になります。
このページでは、最新のドライプローブ『乾探』を、同じく液体不要の電磁超音波厚さ計との比較を交えて紹介します。

ドライプローブ 『乾探』 の特徴

特殊なラバーやゼリーを遅延材に用いたカプラント不要のプローブは以前から存在しましたが、耐久性が低い、感度が悪い等の理由で、一部の特殊な用途でしか使用できませんでした。
ドライプローブ『乾探』は、素晴らしい感度と耐久性を実現した画期的なプローブです。従来のプローブと同様に、鉄やステンレス、アルミなどの金属はもちろん、樹脂、ガラスなど様々な材料の測定が可能です。曲面にも密着するよう設計されており、さらにエコー・エコー(スルーペイント)にも対応、幅広い用途で使用できます。

カプラントの塗布が不要なため検査の負担が減るだけでなく、カプラントが塗布できない試験体の測定も可能になります。さらに、製造ラインへの自動厚さ測定装置の導入では、従来よりも機構を簡素化することができます。

ドライプローブの使用には、特殊な超音波厚さ計や超音波探傷器本体は不要です。汎用の探傷器またはAスコープ表示付きの厚さ計で動作します。1台の超音波厚さ計で、用途に合わせ従来プローブとドライプローブを使い分けることが出来ます。

メリット カプラントが不要
樹脂、FRPの測定では従来のプローブもよりも高感度で測定可
デメリット 検査面の汚れや錆びの影響を受けやすい
1.2mm未満の厚さ測定が不可

電磁超音波厚さ計(EMAT)との比較

電磁超音波厚さ計(EMAT)もドライプローブ同様にカプラントの塗布が不要です。ここでは、電磁超音波厚さ計とドライプローブの違いを説明します。それぞれの得意・不得意を把握し、目的に応じて選定してください。

まず、電磁超音波厚さ計では金属しか測定できませんが、ドライプローブでは金属に加え、樹脂、ゴム、ガラスも測定できます。次に、電磁超音波厚さ計ではトランスデューサーに永久磁石を内蔵しているため、鉄等の磁性金属を測定の際はトランスデューサーが強い力で密着します。取り扱いを誤るとトランデューサ―が衝撃で故障する恐れがあり注意が必要です。
一方、測定面に汚れや錆びが発生している場合、ドライプローブではそれらを除去し測定面をきれいに処理する必要がありますが、電磁超音波厚さ計ではそのまま測定することが出来ます。

種類 カプラント 検査面の前処理 測定可能な材料 測定可能な厚さ 再現性
汚れ・錆びの除去 通常 塗装上からの母材
ドライプローブ 不要 必要 金属、樹脂、ゴム、ガラス 1.2mm以上 1.2mm以上 ±0.03mm
電磁超音波厚さ計 不要 不要 金属 1.2mm以上 1.2mm以上 ±0.05mm
従来プローブ 必要 必要 金属、樹脂、ゴム、ガラス 0.8mm以上 2.0mm以上 ±0.01mm

屋外の風雨に晒された検査対象においては電磁超音波厚さ計が適しています。検査面の汚れや錆びの除去が不要なためです。工場での製造後の厚さ測定等、測定面がきれいな場合はドライプローブが適しています。
選定に迷った場合は、お気軽にご連絡ください。ドライプローブ・電磁超音波厚さ計ともにデモ機を用意しています。お客様のニーズをヒアリングし、最適な装置を提案します。

電磁超音波厚さ計(EMAT)の製品情報や技術資料は、以下のページからご確認ください。

電磁超音波厚さ計

動画

対応トランスデューサー

周波数 種別 探触子 対応機種 部品番号
2MHz 14mm ドライカプラント 二振動子 MVX、CMX DL+、DFX 2K 5N/2ND
2MHz 18mm ドライカプラント 二振動子 MVX、CMX DL+、DFX 2K 10N/2ND
5MHz 14mm ドライカプラント 二振動子 MVX、CMX DL+、DFX 5K 5N/2ND
5MHz 18mm ドライカプラント 二振動子 MVX、CMX DL+、DFX 5K 10N/2ND

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